カナディアンカヌー in 北陸

以前、カヌーガイドのアルバイトをしていました。

カヌーガイドとは言っても、夏季限定のアルバイトで、未経験でもok!と言うことで応募しました。

場所は、北海道の釧路川。

現地入りして2週間程度漕艇技術などを教わりました。

パドルワーク、転覆時のリカバリー技術、レスキュー方法などなど。

そして、すぐにガイドデビューです。

もちろんお客さんに自然解説などすることも仕事の1つなので、ただカヌーが漕げれば良いと言うわけではないのですが、とても早いデビューです。

それくらい、カナディアンカヌーは、扱いが簡単。

こんなこと言ったら、怒られるかもしれませんが(笑)

スノーボードで自由自在に左右に曲がれるようになるのと同じようなもので、シングルパドルで片側だけで漕いでも右に左に自由自在に進めるようになってしまいます。

もちろん、コツを掴むまでの時間には個人差はあるかと思います。

何はともあれ、それから毎日、多い時は日に5本、お客さんを乗せて釧路川を下りました。

繁忙期なので、お客さんが途切れることもなく、休みもなく。

それでもカヌーで川を下る仕事に飽きることはありませんでした。

何回下っても楽しい。

自然の発見も、同じルートでも毎回違う発見があることも、純粋にカヌーで川を下ると言うことも。

すっかりカヌーの魅力に取りつかれてしまったようです。

それでいつかマイカヌーが欲しいと思っていました。

月日は7、8年ほど流れました。

たまたま北海道旅行中に耳にした重大な事件がありました。

カナディアンカヌーと言えば、OLD TOWNが有名です。

中でもCAMPER 16フィート(オールドタウン キャンパー 16)やCAMPER 15フィート(旧パスファインダー)が、言わずもがなの名艇です。

オートバイで例えるならHONDAのCB400F。

キャンプで例えるなら、snow peakの焚き火台。

定番でありながら、誰もが欲しがる、持ちたがる、そんな2艇だと思います。

カヌーの素材には、ロイヤレックスと言う素材が使われています。

これが、車のボディなどに使われるFRPや他の素材と比べて、耐久性が高く柔軟性もあり、高く評価されています。

衝突により凹みはするけど、致命的な破損には繋がりにくい、そんな印象です。

前置きが長くなりました。。。

そんなロイヤレックスが製造中止になったとのことでした。

理由は知りません。

それに伴い、ロイヤレックス製のカヌーも製造ができなくなったのです。

そのためロイヤレックス製のカヌーの中古相場も値上がり(当時2018年5月)。

もちろん、新品の在庫があるところなどなく。

中古艇がないか引き取りに行ける範囲で販売店さんに電話をかけてまわり、でもやはり見つからず。

もちろんヤフオクでも探しましたが、そんな時に限ってなかなか出品もなく。

しびれを切らしてオールドタウン以外のカヌーも検討してみたり。

もう手に入らないのではと諦めの気持ちが生まれ始めた時。

北海道で知り合ったカヌーガイドさんから、ヤフオクで出品されたと言う連絡が入りました。

出品されたのは、定番の赤でも緑でもなく、100周年限定色のベージュ。

兵庫からの出品で、引き取りに来れることが条件。

この商品を落札した訳ですが、引き取りに行くのはいささか骨が折れました。

何度もハイエースに積んで北海道の道を走ったことがあるキャンパーでしたが、自分の車に積んで、落とすことなく帰って来られるのか心配でした。

いっさいの観光なしに、SAごとにベルトの緩みがないか確認して、安全に、安全に帰りました。

そうした経緯があって、ようやく我が家にやってきたOLD TOWN CAMPER 16です。

状態もとてもきれいな部類に入ると思います。

シートだけは、PPテープで自分で張り替えました。

ライフジャケットも揃え、ようやく漕ぎ出せる準備が整いました。

さて、進水式はどこで行おうか。

購入前から悩んでいましたが、北陸でカヌーを楽しむには、これが一番の問題かもしれません。

カヌーを出せる場所が、ほとんどないことです。

今現在(2021年8月)でも富山県に限って言えば、1、2箇所しか知りません。

1つ目は、桂湖。

ただし、季節によっては水位が低すぎて入水禁止になるようです。

2つ目は、環水公園。

市に許可申請書を提出すれば、もしかしたら利用可能なのかも。

まだ、試してはいません。

あとは、河川になります。

いたち川では、カヌーやラフトボートによる花見クルーズが行われていることがあります。

ただし、水位によっては、乗り降りしずらそう。

また、落差のある場所もあるので、ダウンリバーする場合は注意が必要。

花見の季節に限って言えば、雪解け水で水量もそれなりに豊富で、流れも緩やかなので、確かに遊覧くらいならできそうですが。。。

好奇の目にさらされること間違いないので、躊躇してしまいます。

富山県漕艇場は、神通川のダム湖にあります。

自然散策にもクルーズにも良さそうで、広さも申し分なさそうですが、高校の漕艇部関係者でないと利用できないとのことであきらめました。

HPを見ると今は、一般開放もしているようですが、あいにくカナディアンカヌーではなく、レガッタやカヤックに限られていそうです。

その他、神通川や黒部川、井田川などでもカヌーは浮かべられそうでしたが、あいにく情報が少なく、子育て真っ最中の私には下見をする余裕はなく。

カヌー購入時は4月で、まだ桂湖キャンプ場もオープン前。

そうなると富山でカヌーを不安要素なく楽しめそうな場所がなく、お隣の長野県まで遠征することに決定。

場所は、木崎湖。

手前の青木湖でもカヌーを楽しめるようです。

初っぱなから、躓いた感は否めませんが、木崎湖は、湖を取り囲むようにキャンプ場があり、カヌーポートもあるので、使い勝手がとても良かったです。

キャンプ場について、テントとタープだけ設営したら、さっそく湖へと向かいました。

マイカヌーで初めて湖へと漕ぎ出しました。

春の陽気の中、湖の上でバスペールエールを空けます。

ずっとこれがしたかったのです。

これは、飲酒運転??

ただ、静水なので、あまりアルコールが入ってしまうと、漕いでいる間にフラフラになっても危険なので、1本だけにしておきました。

季節を変えて、秋にも別のキャンプ場泊で再訪しました。

早朝は、凪になることも多く、湖の上で静かな時間も楽しめます。

そして、長野では、ダウンリバーを楽しむこともできます。

万水川~犀川の区間約10km。

大王わさび農園の風車を横切り。

広大な犀川に合流して。

ゴールに到着。

信州でありながら、北海道のような広大な景色を楽しむことができした。

もちろん、車は友人に頼んでピックアップ用に2台で向かいましが、折り畳み自転車でも出発地まで戻る手段も十分有りだと思います。

結果的に、北陸でカヌーを楽しもうとするには、情報も少なく場所も限られてしまい、長野でばかり楽しんでいます。

ただ、もう少し身近でも楽しめたら良いなと思い、桂湖へ行く計画を立てましたが、コロナの影響で中止にしました。

木崎湖は、冬場でない限り水位の心配もなくカヌーイングが出来そうですが、すぐ横に国道が通っていて、どうしても車の往来が目に入ってしまいます。

桂湖は、水位に左右されますが、目に写る視界いっぱいに人工物のない自然が広がっていそうなので、ぜひ行ってみたかったのですが、今年もこの調子だと無理そうです。

でも、またチャンスがあれば桂湖を含めて実際に訪れて、北陸から楽しめるカヌースポットを発信していけたらと思います。